2006年、中国のテレビ生産量は8613万台、2005年より10.3%増加した。
また、2006年のテレビ総出荷量は8714万台(注:国内出荷量、輸出量を含む)、2005年比8.5%増加し、輸出量も4639万台と、総生産量の50%以上を占め、2005年比37.8%増加し、快速上昇傾向にあった。
しかし、現在中国のテレビ輸出量が減少傾向にあるという。
現在の中国テレビ市場へ、影響を及ぼしているものは何か。
一、マクロ環境の要因
―市場競争モデルは価格から、付加価値へ
過去数十年の市場成長において、世界的なテレビ市場の競争状況及び競争モデルが、価格競争から、現在の特許技術競争、またサービス競争というモデルへと変化した。
中国のテレビ生産企業は労働コスト、生産コストが低いという優位性があったが、そのような生産システムは、相次いで中国に進出した海外企業の生産体制に採用され、現在では価格は「優位性」としての爆発的な機能を果たさないという。
―農村における市場の開発不足、都市における市場との格差が拡大
中国には3億4000万世帯があり、そのうち農村世帯が2億3000万、67.6%を占めるが、テレビ販売量は都市に集中している。
農村という市場があるにもかかわらず、数多くの企業、家電販売店は都市部で大規模なプロモーションを行っており、都市のテレビ市場の潜在力は消費し尽くされているという。
一方で、農村のテレビ市場は以前として未開発状態にあり、今後は戦略重点を農村に転換することが課題となる。
二、欧米企業のパテントが輸出を抑制
―輸出拡大は欧米規格に阻まれる
アメリカが2007年3月1日に実施したデジタルテレビ規格(ATSC)によって、アメリカで販売される36型以上のテレビには、ATSC標準が義務化された。
規格の義務化によって、アメリカにテレビを輸出する場合には、ATSC技術を内蔵することとなり、ATSC技術に対するロイヤルティーの支払が発生するという。
さらに、欧州デジタルテレビ標準(DVB-T)もテレビ輸出への徴収を計画しているという。
ロイヤリティー徴収によって、価格が上乗せ、もしくは利益の縮小、いずれかの道を避けては通れず、自ずと輸出の規模にも影響が及ぶ。
―核心技術が欠乏
近年、欧米、日本などのテレビがフラット化傾向にあるなか、中国製フラットテレビの輸出も好調だが、中国が保有する核心技術は、ほぼ日本、韓国、台湾などの企業に独占されているという。
中国国内のフラットテレビ企業のほとんどが組み立て工場で、また、ほぼ輸出商品のOEM加工にあたるという。
―液晶、プラズマ輸出はどうなる
液晶、プラズマテレビなどのフラットテレビには、中国の輸出快速増加と、持続的な価格下降の傾向からすると、近い将来アンチダンピングの対象となる可能性があるという。
三、技術的な問題
―国内の技術指標は混乱
中国ではフラットテレビの技術指標がまだ確立されていないため、生産企業各自の標準があり、特に液晶、プラズマといったフラットテレビ市場の技術指標は混乱状態にあるという。
―アフターサービスの品質改善を要する
中国のテレビメーカーは、アフターサービスが悪く、購入したテレビに品質問題が起こると、生産企業と販売店が互いに言い逃れをし、責任を避ける傾向にあるという。
現在、フラットテレビのクレームはアフターサービスに集中しているという。
―膨大な電力消費量
現在、中国製フラットテレビの電力消費は、たとえば42インチのプラズマテレビを一日およそ5時間動作させると、電力消費量はCRTテレビの3倍以上になるという。
こうした膨大な電力消費は、環境保護の面、また使用を続けていくという意味でのコストに負担がかかる。
中国製テレビが、世界に進出するには、競争モデルの転換、(サービス面、製品の)品質追求、生産企業の意識改革といった問題が山積みである。
(China Press 編集部:ZK)