香港株/地元証券が声高に薦める“手仕舞い銘柄”
熟した果実は落ちるのみ!?
『東亜銀行』(00023)、『大成食品』(03999)
『中国電信』(00728)、『中国聯通』(00762)
上昇相場の落とし穴にご用心・・・
ターゲットプライスに到達した銘柄を見極めて
サマーシーズン前の“在庫整理”はいかが?
先週号では、「強い上昇線を描く小型株特集」と題して、『中国消防』(00445)と『SOHO中国』(00410)の2銘柄を紹介。前者は上海万博・中国パビリオンの消防システムを受注するなど国内での信頼性が高いこと、また、親会社による買収提案が予想されるといった材料があり、北京市の有力ディベロッパーである後者も、お膝元の北京でオフィス物件が好調なこと、株価に一服感がありタイミング的に買いやすいことなどをお伝えした。
現在、相場全体に値上がり傾向が出ているので、出遅れ感のある株を買っておく、という戦略は決して間違いとは言えないが、一方でお手持ちの銘柄にもご用心。すでに売却してもいい株価に到達しているものがあるかも知れない。
今週号では編集部が懇意にしている香港『大福証券』アナリストが、今いったん手仕舞い、益出しをした方が良いと薦める銘柄をピックアップしてみた。本格的なサマーシーズンを迎える前に、一度ポートフォリオの棚卸しをしてみてはいかがだろうか?
手仕舞いお奨め銘柄(1)
本土業務はライバル多すぎ・・・
『東亜銀行』(00023)
香港の大手独立系民間銀行。地元・香港のほか、中国本土、台湾、東南アジア、北米、イギリスにも支店を構え、銀行業務、保険業務を扱っている。香港域内では90店舗以上を展開しているため、香港に行けばほぼ確実に同銀行のロゴ看板をみることができる。
同銘柄のネックは上がり過ぎた株価と、今年の通期業績に対する過剰な期待感。08年の通期純利益で前年比マイナス99%という極端な減益に陥ったため、今期の回復が予想されるのは当然。しかし、中国国内で金融規制の緩和が進み、企業への資金融資が積極的に行われている現在、同行のような香港の銀行に頼らなくとも、中国資本の銀行が簡単に貸してくれる環境ができており、本土系以外の銀行は以前のようには儲からなくなっている。そのため、「今年後半は思いのほか収益が伸びない」とする見方が出ているのだ。
「しかも、スペインで同業の『Criteria CaixanCorp』と提携関係を強化しているのですが、いまのところ同社にこれといったメリットが見当たりません。スペイン進出の際の足掛かりにはなりそうなのですが・・・」(『大福証券』アナリスト)
株価も頭打ちの様相。これまでの過熱感からか、すでに下降局面に移っており、早めに手放すのが賢明ではないだろうか。
手仕舞いお奨め銘柄(2)
業界トップもニーズ減少には“お手上げ”
『大成食品』(03999)
中国最大規模を誇る鶏肉加工業者。飼料の製造や養鶏場の経営など関連事業も手掛けているため、同業他社よりも製造コストが低く抑えられメリットがあるほか、製品(鶏肉加工品)の納品先は『マクドナルド』や『ケンタッキーフライドチキン』、『ピザハット』など世界的なファーストフードチェーン。さらに日本の大手スーパー『セブンアンドアイ』、コンビニ『セブンイレブン』にも「焼き鳥」「唐揚げ」などの商品を供給するなど、品質の高さや経営の安定感は抜群。本紙でも1年前に取り上げたことがあるほど。その同社がなぜ手仕舞い推奨なのか。
「いい企業だと思いますよ。ベトナム、マレーシアにも生産ラインを展開し、鶏インフルエンザなどに対するリスク分散策もきちんと採っています。品質面でも日本の商社が技術指導にあたるなど、管理体制はピカイチ。もっと評価されてもいいくらいです。
ただ、いかんせん鶏肉市場の状況が悪すぎます。世界的な景気低迷から外食産業が打撃を受け、鶏のニーズそのものが減少しているんです。09年1-3月の売上も8%減の2億7300万米㌦どまり。鶏肉価格は、この先下落していくと予想されますから、今後、収益性の悪化が懸念されます。株価にプラスとなる材料が出にくい状況です」(前出アナリスト)
手仕舞いお奨め銘柄(3)(4)
これといった突破口なくジリ貧か?
『中国電信』(00728)、『中国聯通』(00762)
中国3大通信キャリアのうちの『中国移動』(00941)を除く2社。5月の携帯電話・新規ユーザー獲得件数をみると『中国移動』の510万件に対し、『中国電信』『中国聯通』はそれぞれ68万件、220万件。2社を足しても『中国移動』の半分強にすぎず、人気の差、販売力の差は歴然。
『中国移動』が中国自前の3G技術であるTD-SCDMAを擁する点で、はっきり“別格”といっていいだろう。しかもその『中国移動』は、台湾の大手通信キャリア『遠伝電信』の株式12%を買収するという。まだ当局の正式な承認は得ていないが、台湾絡みとなると政治的な要素も強く、同社単独の判断でコトを進めているとは考えにくい。水面下でネゴは終了しているとみるのが自然である。なお、買収相手の『遠伝電信』は『中華電信』という更に別の台湾・大手通信キャリアと組んで、TD-SCDMA技術を採用した通信ネットワークの構築に着手する計画。本土以外にも「TD」の網が広がりつつあり、将来性からみて『中国移動』(00941)がセクタートップに来るのは避けられない。こうなると、『中国電信』(00728)、『中国聯通』(00762)の2銘柄がかすんでしまうのはやむを得まい。
「そうですね。強いていうなら、今年9月頃に正式に販売される『ⅰPhone』の販売権を『中国聯通』がもっていますので、これでどれだけ巻き返しが図れるか、というところですか。もう少し株価が下がって、発売時期が近づいたら買ってもいいかもしれませんね」(同上)
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提供:週刊ベンチャーインテリジェンス
(China Press 2009年7月2日)
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